杉本博司「歴史の歴史」展で一番観たかった「海景」。
シリーズのうち9点が展示されていました。
順路のとおり観ていくと8点目の作品。
水平線がなぜか微妙に右下がり。
靄がかかって水平線がぼやかされ、また靄のかかりが右が多いようにも。
でもそれなら水平になるようにトリミングしてしまいそうなものですが。
これも杉本流でしょうか?
あと、9点目だけ夜の海。
なぜ1点だけ、それも最後に?
意図無くするなんて事は有り得ない。
いったいどんな意図が?
これら作品は巨大な湾曲した壁に鎮座していましたが、その正面に置かれた椅子からしばらくの間座って眺めていました。
なんとなく感じたのは最後の1枚だけ明らかに違う色調のものを持ってきたのは。
観た人たちが気持ちよく同じ調子のものを観てきた最後に違和感を感じさせ、この作品群を印象深いものにさせる為?
私なら、こういう意図で同じ事をするんですが。
一流の作家が一流たる由縁。
それは作品のなかに必ず罠を仕掛けると言うこと。
観た人はまんまとその罠にかかって、その作家の虜になってしまう。
そんな罠が・・・。
国立国際美術館