それは昨日、撮影中に妻にかかった携帯から。
美容師のF先生が亡くなったと。
彼女と知り合ったのは15年前。
飼い犬が同じ訓練所だったことがきっかけ。
それで、私の髪は彼女が切ることに。
一緒にスキーやコンサートにも行きました。
私に子供ができ写真を撮り始めた頃から私の写真を褒めてくれ、そのうちモデルを撮って欲しいと依頼を受けるようになりました。
独立を考えた時、周りは皆反対。
でも先生だけは賛成してくれました。
多くの言葉を頂きました。
親しい友人でもあり、恩人でもありました。
そんな彼女も自身の病気の事は隠していました。
肩がいたくて腕が上がらないからと、2年くらい前からサロンでは会えなくなりました。
でも結婚式などでは仕事をされていたので、そんな深刻な病気だなんて思っていませんでした。
スタッフにも口外することの無い様に伝えられていました。
そんなスタッフも私には本当の事を教えてくれました。
それが今年の春。
妹さんに無理を言って入院先へ見舞に行きたいとお願いしました。
体調が良くなったからと面会できたのが夏。
メイクもして私と妻が来るのを待ってくれていました。
たくさん、楽しく話をしてくれました。
肺に水がたまり、息苦しいのに。
その後、体調は次第に良くなり退院。
ガーデニングに勤しむ毎日。
うまく病気と付き合っていけると信じていました。
1ヶ月前くらいに再び入院したことを知りました。
でも、また元気になって帰ってくる。
そう思っていました・・・。
今年、私は3人の大切な人を亡くしました。
妻の姉。
1ヶ月前に、こころの師と仰いだカメラマンのM氏。
そして、F先生。
彼らは、きっと現世とは比べものにならない幸福な世界で今を生きているのでしょう。
人間という、不自由な体を脱ぎ捨て。
私が、まだふさぐ事の出来ていない心の風穴。
更にもう一つ大きな風穴ができました。
残されたものは悲しみ、人生という修行を続けるのでしょう。