私は過去に一度、写真を撮れなくなった次期があります。
金銭的な理由では有りません。
精神的な問題です。
ちょうど、新聞社のコンテストの年間1位を取った後、1年間の緊張感から解放され時です。
「ロバート・キャパ」の写真展を観ました。
「ノルマンディー上陸作戦」や「崩れ落ちる兵士」が有名ではありましたが、そこには戦火の中で暮らす一般市民の苦悩に満ちた表情が記録されていました。
作品のどれもが私の胸に突き刺ささってきます。
その時の胸の痛み。
戦争の悲惨さや悲しみ、罪を深く感じました。
それらを観た時、自分の写真の意味を考えてしまいました。
あまりに薄っぺらな紙切れのようなものであった事を知ってしまったのです。
それからおよそ3年間、作品を生む事が出来ませんでした。
キャパは、1954年にベトナムで地雷を踏み亡くなりました。
しかし、彼の意思は多くのカメラマンに引き継がれ今も残っていると思います。
ミャンマーで亡くなった長井さんも、同じように正義感の強い方だったと聞いています。
ご冥福を祈るとともに、世界が武力のない平和に満たされる事を願います。